瀬川拓郎「アイヌと縄文」

7月に北海道の礼文島に旅行に行ったのだが、その前に読もうと思っていたのに、結局帰ってきてから読み終わった。やっぱり読む前と後では印象が変わっただろうなあ、と思うと、もう一度どうにか行きたい、と思ってしまう。

 

縄文時代(それより少し前かも)からの北海道の歴史を、とても丁寧に書かれていると思う。この本を読むと、人間つきつめていけば、何人とか何系とかもなく、同じところに辿りつくんじゃないのかなあ、と思うのだけれど、どうして分けて考えたり、ないものとして考えたりするのだろう、と疑問がわく。

 

北海道は、当たり前だけど広いので、地域ごとに歴史や文化が違う。極地に行けば行くほど、大きな流行や政治の影響がやってくるのが遅くて、昔の文化は残りつづけるというのを見て、なるほどなあ、とものすごい納得してしまった。それを大きな流れから見て、遅れているだとか、野蛮だとか、そんな大雑把な物言いをするほうが、よっぽど古臭いことだと思う。

 

今の時代に、文化と呼べるものがあるのだろうか。文化って、何なんだろうか。