映画「枯れ葉」

昨年、好きな写真家がこの監督の作った映画館を撮りにいったというのを雑誌で見て、映画より監督のことが気になっていた。そのタイミングでの上映だったので、早速観にいってきた。

 

特にドラマチックでもない、大きな悲劇でも喜劇でもない、ありそうでなさそうな、ある人には非現実的で、ある人には現実的な、なんというか、そういう他人の日常生活を垣間見るような映画だった。平凡と言えばそうなのかもしれないけれど、その平凡の中で、多くの人は切実に生活している。

 

大きくはなくても、小さな悲劇や喜劇は、誰にでも起こる。世界から見れば、とてもちっぽけで一瞬の悲劇や喜劇を繰り返して、振り回されて、人は生きていっているのだな、と改めて思った。

 

ちょっとやりすぎなくらいのBGMと、ラジオから流れるニュースと、その中に映る登場人物たちとが、バラバラなような感じでいながら、すべて同じ世界に集められている。最後の犬の名前に、いろいろな気持ちがこめられているのかもしれないなあ。