北大路公子「いやよいやよも旅のうち」

読み終わるのに、随分と時間がかかってしまった。

 

何故かというと、ただただ旅をするわけではなく、タイトルどおり、行く先々で嫌なことをさせられる、という本だからである。私自身、嫌なことをさせられるのが、ものすごい嫌いなのだけれど、それと同じくらい、他人が嫌なことをさせられているのを見るのも、嫌いなのである。本の中では、最初から最後まで、嫌だ、と言ったことをやらせられていて、私がやるわけでもないのに、しんどくて、つらくなる。前半はまったく読み進められなくて、私はどうしてこの本を手に取ったのだろう、とさえ思う。ようやく、なんとなく楽しそうになってきたかな、と思ったところで、旅の終わり、つまり本は終わっていた。

 

1冊としてまとまったことにより、しんどさが増したのかもしれない。雑誌の連載で間を置いて読めば、笑い話として読めたような気がした。

 

あとがきにもあったように、ただただ編集の人が嫌な人だ、と思ってしまうところもあって、この本は誰が得したのだろう、とちょっと思ってしまった。