映画「叫びとささやき」

 

月一で映画を観よう、と昔思って、まあまあわりと実行していた時期があったのだけれど、パンデミックが起きてから、まったく映画に行きづらくなってしまって、ここ2年でたぶん2、3回しか映画館に行っていない。本当に映画が好きな人なら、そうはいっても通っていたとは思うのだけれど…。私にはそこまでの気合いがなかったのだった。そんな私もそろそろ大丈夫だろう、ということで、また月一くらいで映画館に行こう、という気になっているので、また感想も書き残してみようと思う。

 

しかし、また映画館に行きはじめようとして、最初の作品を何故これにしたのだろうか。私にもちょっと理解しがたい。何の前情報もなく、気楽な気持ちで観はじめたら、冒頭の赤字に白文字が出てきた瞬間に、これはやばい映画を観にきてしまった、と悟る。

 

基本的に三姉妹と召使の女の人たちのそれぞれの視点が、順番に出てくる感じなのだけれど、いやはや、それぞれがそれぞれの気持ちをぶつけてくるので、91分しかない映画なのに、濃い。全員同じ空間にいるはずなのに、まったく異なった気持ちになるし、行動をする。人間って、そういうものなのだよねえ。

 

ベースにキリスト教があると思うのだけれど、そのへんがやっぱり勉強不足で、理解が追いつかなかったところはある。でも、人の死を目の前にするとき、一時的にテンションがハイになる瞬間ってあるよな、と姉妹の会話のシーンで感じて、そのへんは世界共通なのかもしれない。次の日にはもう、冷静になってしまうのも。