川上弘美「天頂より少し下って」

天頂より少し下って (小学館文庫)

 これ、めちゃくちゃタイトルが美しいなあ。

ふわふわしているというか、ゆらゆらしているというか、どことなく不安定な関係の人たち。でもきっと、この世には、確固たる関係の人たちなんて、存在しないのだろう。人と人の間を漂って、揺れて、不安になりながら、それでもその人とどうやって繋がっていくのか考える。

この人の本を読んで、嫌な気持ちになったことがほぼないから、たぶんこれからも好んで読んでいくのだろうなあ、と思う。