川上弘美「光ってみえるもの、あれは」

 

光ってみえるもの、あれは (中公文庫)

光ってみえるもの、あれは (中公文庫)

  • 作者:川上 弘美
  • 発売日: 2006/10/01
  • メディア: 文庫
 

 この人の書く、人と人との距離感がすごく好きなんだなあ、と思った。

 

人それぞれ好きな距離感というのがあると思うのだけど、だからこそ、自分が欲する距離感と、相手の求める距離感が食い違うときがある。たぶん、主人公が相手を「好き」だという気持ちは嘘ではないのに、求められている距離感が違うだけで、違うと思われてしまう。なんだか、自分でも、違うと思ってしまう。

 

人間関係って、好きだけでは上手くやっていけないのだな、と改めて思ってしまった。