尾形亀之助「カステーラのような明るい夜」

 

装丁がとてもよいので、画像が出ないのが残念なのだが、自分で手に取ってみるのが一番、ということで(そのうち出るようになるかもしれないが)。

 

詩集の感想ってどうしようかなあ、といつも思う。読む人によって、見える景色が全然違うものな気がする。小説だと、ある程度見える景色が同じになるように描写されることが多いと思うのだけれど、詩では、省いて省いて省いて、読む人が見えるものに結構委ねられる部分が多い。私が見えているもの、見えたことによる感情は、果たしてこの感想を読む人のためになるのか、というと、たぶんまったくならない。だからといって、何も書かないのも、ここで文章を書く必要がなくなる。まあ、ただの私の読書記録なだけだから、大したことは書かないのだけれど。

 

夜寝る前にちょっとずつ読んでいたものだから、夜中に眠れないことへの焦りやつらさや寂しさや孤独、そういういろいろない交ぜになった感情が、ひたひたと沁みこんできて、あんまり寝る前に読むものではないな、と思った。いや、人によるとは思う。眠れない、ということに、自分が同調しすぎるせいだろう。昼間の、晴れた明るい日に、もう一度ゆっくり読んでみようかな、と思う。明るい夜は、あまりいい意味ではないように感じてしまうから。