映画「魂のまなざし」

 

フィンランドの映画が上映していると知って、早速見にいく。空や海(湖かな)や森や、建物や服装、そういうものを見るだけでも、いいなあ、という気持ちになる。

 

そんな気持ちいい風景に反して、映画の内容は怒涛で、いろんなものが凝縮されすぎて、頭がぐるぐるする。人の人生を垣間見るって、そういえばこういう感じだよな、と思い出した。

 

親子関係、友情、恋愛模様、と主人公の人生を嵐のように見せつけられて、どこに注目すればいいのか、と見ている最中は眩暈がするのだけど、これは見る人によってどこが一番印象に残るか変わるんだろうなあ。私にとっては、友情関係の方が重要に思えて、主人公と男の人との手紙よりも、女同士の手紙の方がとても心に残った。もっとこっちに重点を置いた話がよかったなあ、と思ったけど、それもやはり見る人によって違うのだろう。

 

会話もせずに、押し黙る瞬間、見つめあって微笑みあう束の間、そういう時間が流れるのが、映画のよさだなあ、とこの映画を見て思った。静かで、じわじわと満ち足りる時間だった。