こんなに通じあえない人間同士があるのか。本当に判ってくれない。判ろうともしていないからだろうか。
一瞬近づいたかな、と思ったら、次の瞬間にはもう遠く離れていて、その日、その時で人間関係の距離って変わってしまう。それでも人って、近くにいるために努力をしているのかもしれない。そういう努力をやめてしまえば、あっという間にもう二度と会えなくなるんだなあ。
でも、その努力は、お互いにしていれば関係が続くのであって、一方が切り捨ててしまえば、怖いくらいに冷えた壁が、一瞬でできてしまう。いくら壁を見つめても、穴も空かないし、扉もできてくれない。
ただ、主人公が通じあえないことへの鬱憤とか不満とか、抱えこんだものを行動で発散しているのが、ちょっと羨ましいな、と思った。あんなふうに、苦しんでいるサインを素直に出せる人って、そんなにいない。そのサインのせいで、余計に通じあえなくもなっているんだけど。
あれだけサインを出しているのに、どうしてこんなに判ってくれないのかなあ。