彩瀬まる「朝が来るまでそばにいる」

 

前々から何度か書いているけれど、人の死が出てくる話が好きじゃない。それだけで劇的になってしまう、人の感情を揺さぶってしまう出来事だから、本当に話の中で必要で十分なものなのか、考えてしまって、一歩引いて読むからか、あまり話に入りこめない。

 

そんなわけで、人の死が多めに出てくる本で、もう一度読みたいとは思えなかった。その上、私はホラーが苦手なのだけれど、この本全体がどうしてかホラーっぽい雰囲気で、そこもまた読み進めるのに苦労してしまった。こんなふうに人の死を受け入れる人もいるのかもしれないけど、私には無理だなあ、と思ってしまった。

 

人の死が出てこない話は面白く読めたのだけど、なんだか他人には見せたくない、黒い感情を書いてあるなあ、とぞわぞわした。