星新一「気まぐれロボット」

 

最近までドラマを放送していて、やっぱり面白いよなあ、と久々に読みたくなって手に取った。今までに何冊か読んでいて、どの本を読んでいないのか、正直わからなくなっている。たぶん、これ、読んでいないよな。読んでいないはず。何度読んでも新鮮に感じて、はっとさせられてしまうから、同じ本を持っていても不思議ではない。人間の記憶なんて、そんな曖昧なものなのだ。

 

ショートショートという短さの中で、突飛な設定も力業で押し進め、なんだか納得してしまうし、こっちの方が現実なのでは、と思わされてしまう。たぶんオチが現実的で、たとえ今生きている人がこの本の中の世界に突然入ってしまったとしても、この結末になるからかもしれない。