中島たい子「ぐるぐる七福神」

 

 何かもやもやしていたり、上手くいかないなあ、と思っているときに、何故かこの人の本に出会う。本屋に行って、必ずこれを買う、と思ってもいないのに、不思議なものだなあ。

 

七福神巡りについて、まったく何も知らなかったのだけど、正月にするものなのだね。七福神の神様については、なんとなく名前を知っているくらいだったから、なるほどなるほど、と面白く読んだ。神様のことを全然信じていなくても、人はつらいとき、神様にちょっと祈ってしまうことってある。でも、そのとき何を祈っているのだろう。具体的な願い事も、抽象的な願い事も、神様にとっては全部同じかもしれない。人は祈ることで、少しほっとするような気がする。

 

主人公の気持ちが、わりと今の自分に近くて、あーそうだよねえ、と見守ってしまう気持ちになってしまった。だけど、本の中の人たちは、しっかり生きていくんだろうなあ。私も七福神巡りにでも行った方がいいのではないか。