「万葉集」

 

 ずっと読んでみたいな、と思っていたのだけど、なんとなく後回しになっていて、ようやく手に取った。

 

学校の授業で、ますらおぶり、とは聞いていたけれど、感情をそのまま表している感じがして、読んでいて気持ちがよかった。歌としての形の美しさよりは、詠んだときの心地よさと、気持ちを素直に歌にぶつけていることが受け取れた。たしかに洗練されてはいないのだろうけれど、このくらいの荒削りな感じの方が読んでいてわかりやすいし、ほっとできる。古今和歌集を読んだら、また印象が変わるかもしれないけれど。

 

ちなみに、一番好きだったのは、つらつら椿。相聞歌も挽歌も、読んで気持ちが動くけれど、なんとなく書き残したいと思うような景色を詠んでいるものの方が好きだった。あと、リズム感がこの頃は本当に面白い。こんな感じの、奇妙なリズム感で、私も書きたい。