山下賢二「喫茶店で松本隆さんから聞いたこと」

 

 ちょっと乗り遅れた感があるけれど、ようやく読んだ。少しずつ読んでも、2、3日で読みおわれるくらいなんだけれど、なんだかゆっくりした時間が流れる。

 

題名のとおり、喫茶店松本隆さんが隣りに座って、ゆったり優しく喋ってくれているような感覚になれて、とてもいい。親しくなれたら、こんなふうに喋ってくれるのかなあ、と想像してしまう。

 

子供のときから、自分から探したり選んだりせずとも、ずっと松本隆作詞の歌を聞いてきたせいか、松本隆という存在はものすごく身近に思えるけれど、同時に最も遠い存在のような気がしている。一番近くで心を動かしてくれるのに、全然手が届かないなあ、と思う。