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獅子文六「七時間半」、宮沢賢治「注文の多い料理店」

 

七時間半 (ちくま文庫)

七時間半 (ちくま文庫)

 

 できれば、夜行列車とか鈍行列車とか、何時間も乗りながら読みたかったなあ。この本と一緒に旅をできる人は、本当に贅沢。列車時間を短くすることだけが、贅沢な時間の過ごし方ではないのではないかなあ、と私なんかは思う。

 

細かい人間関係、ちょうどよく現れる登場人物、七時間半の濃い時間。1人1人がとても生き生きしている。今の電車の中でも、こんなことは起きているのかしら。今はもういろんなことが目まぐるしく、早すぎて、誰かと目を合わせて会話すること自体少なくて、人間関係もできるだけ簡単にしてしまいがちだなあ。

 

女同士の感情って、複雑だな。

 

 

 毎年、この手ぬぐい柄の文庫を買ってしまうのだよなあ。我が家にkindleとかいう単語は存在しない。

 

東北の、山奥の、静かなところにしか起こりえない話だなあ。でも、あるようでない場所。たぶん、誰もが思い描いている心象風景なのだろうけど、この人にしか書けないだろう景色や、話だ。

 

自然には命があるか、という問いに、ある、と答える日本人は多いんじゃないのかなあ。そういう共通意識が、この人の本を読んでしまうのかもしれない。