丸谷才一「猫のつもりが虎」

 

猫のつもりが虎 (文春文庫)

猫のつもりが虎 (文春文庫)

 

 面白いなあ。知識をひけらかすこともなく、面白いことを話せる人は、本当に貴重。どんな人にも、たぶん、自己顕示欲というか、知識を披露したい、という気持ちがちょっとはあって、それを感じた途端に面白くなくなるのだよね。人間的に面白い人が、面白い小説も書く、ということを痛感する。

 

和田誠氏の絵も、本当に好きだ。なんだろう、この安心感。