ラッセル「幸福論」

 

ラッセル幸福論 (岩波文庫)

ラッセル幸福論 (岩波文庫)

 

 幸福について書かれている本が沢山並んでいたわけだけど、装飾的な文章というか、詩的な文章の哲学とか思想の本は、絶対に読みきれないだろうなあ、と思い、比較的論理的な、証明のような文章に見えたこの本を選んでみた。文章の感じは、本当に大事だとつくづく思った。なんとか読みきれた。全部わかった、とは言えないけど。

 

今現代、当たり前のことのように思っていることも、50年以上前までは当たり前ではなかったのかもしれない。この本に書いてあることのほとんどは、今ではわりと常識のような気がすることで、それらが淡々とつらつらと書きならべられている。読んでみても、画期的、とは思わないかもしれないが、改めて、幸福であることが普通の状態なのだ、と思える。

 

まあ、とにかく、幸福というのは、これ、という答えがないよなあ。時代によって、表面的には変化があるように思うけど、根本的な部分は変わらないのだろうか。