ジョージ・ソーンダーズ「短くて恐ろしいフィルの時代」

 

短くて恐ろしいフィルの時代

短くて恐ろしいフィルの時代

 

 装丁のポップな感じ、登場人物たちの可愛いファンタジーな見た目とは違って、内容がとてもおどろおどろしい。童話のようにすぐに読めるのに、怖くて不快な人間の部分が、ひゅっと心に入ってくる。強くて、恐ろしいものに、惹かれてしまう人間の深層心理って何だろう。人間は善なんだと、神様は本当に思っているのだろうか。