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須賀敦子「ヴェネツィアの宿」

 

ヴェネツィアの宿 (文春文庫)

ヴェネツィアの宿 (文春文庫)

 

 母から借りた本。表紙買いかしら。舟越桂が好き。

 

1950年代くらいのヨーロッパ、主にイタリアやフランスにいる日本人の話。これは小説なのか、エッセイなのか、最終的にはどっちでもいいか、という気持ち。今生きている自分にとって、70年前が既に創作の中の時代になってきているということかもしれない。

 

実際に見たことがないからか、ヨーロッパの風景って、この頃から全然変わっていないように思ってしまう。この本の中に書かれている城も、教会も、地名も、いまだに実在しているし、これからも守られていく気がする。人間は入れ替わっているはずなのに、何故かまだこの本のままの、人間も含めての風景を、ヨーロッパに行けば見られると思えてしまう。

 

ちょっとだけ美しすぎて、自分が嫌になる文章でもある。