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堀辰雄「風立ちぬ」

 

風立ちぬ・美しい村 (新潮文庫)

風立ちぬ・美しい村 (新潮文庫)

 

ジブリの映画は観ていたけれど、全然設定が違うのね。映画の方が動きがあったような気がする。

 

映画とは違うと言いながらも、結末は同じなわけで、向かっていっている方向というか、雰囲気から抜け出せない感じがした。そのせいなのか、最初の出会いでさえ、浮き立つようなもののはずなのに、暗く見えてしまう。これは読んでいる側の問題なんだけど。

 

読んでいる方にとっては(書いている人にとっても)、決まっている結末に向かって坦々と日々のことが書かれているけれど、この本の中に生きている人たちは、結末が決まっていると思っていない。ただただ、生きている。文章がわりと冷静な感じがするから、感情の動きが激しく見えないけれど、生きることと死ぬことに触れる前後というのは、このぐらい静かなものだと思う。