内田百閒「百鬼園随筆」

 

 阿呆列車が好きだったので、この人の本をとりあえず読んでみよう、と思って、まずはこれを手に取ってみた。何はなくとも、この表紙が最高である。描いた人の名前を見て、またにやにやしてしまう。

 

阿呆列車の、だらだらとした、どっしり感はまだないけれど、頑固で意固地な、変なこだわりや自分のルールは子供のときからあったのだなあ。でも、この本の中のこの人は、まだなんとなく若々しい。夏目漱石を追いかけるところなんて、まさに若い。

 

この本を読むと、読んでいるぶんには面白いけど、近くにいたら大変だろうなあ、としみじみ思ってしまった。