絲山秋子「小松とうさちゃん」

 

小松とうさちゃん (河出文庫)

小松とうさちゃん (河出文庫)

 

 たぶん、日本に沢山いるだろう普通のおじさん2人が出てくる。普通とか、平凡とか、一般的とか、そういう括りの中で生きているだけで、こんなにも面白い生活があるらしい。そういう括りの中にいる自分にとって、とても救いになる話だ。個性、個性、個性、とわりとうるさくなっている世の中だけれど、普通でも面白いなら、普通に生きたって、全然いい。

 

こうして本の中でおじさんたちが仲良くしていると、微笑ましいなあ、と思えるのだけど、現実で見かけると、ものすごい凝視してしまう自分は、まだまだだなあ、と思う。