ヴァージニア・ウルフ「ヴァージニア・ウルフ短篇集」

 

ヴァージニア・ウルフ短篇集 (ちくま文庫)

ヴァージニア・ウルフ短篇集 (ちくま文庫)

 

 読んでいる間中、気が狂いそうになる文章ってあるんだなあ。嫌な記憶が甦ってくるような文章。文章に集中しようとすればするほど、自分の記憶が邪魔してくる。そして気持ちが悪くなる。これは誰にでも当てはまることではないだろうけど、あんまり明るい文章ではないことはたしかだ。

 

意識の流れを書いているらしいんだけど、そういう脈絡もないような自分の意識を通して見ている現実が書かれているのかしら。他人にとっては筋が通っていないようでも、たぶんこの話の中の人にとっては一本の筋が通っている。読み慣れないと、ちょっと呑みこむのに時間がかかりそう。