筒井康隆「残像に口紅を」

 

残像に口紅を (中公文庫)

残像に口紅を (中公文庫)

 

 テレビで話題になったけれど、だんだん言葉がなくなっていく、という話。こうやって書くと、なんだか簡単な感じに見えるけれど、だいぶ複雑で面倒なことをしている。こんな面倒なことをしようとするのが、面白いなあ。

 

内容は、というと、唐突に変な人が出てきたり、無理矢理話を変えたり、ビックリする流れもある。中身があるのか、というと、そんなに中身は重要じゃないのかなあ、と感じてしまった。言葉がなくなっていく過程で、書いてみたい場面をどういうふうに書くのか、という実験なのかもしれないなあ。