The Indifference Engine (ハヤカワ文庫JA)
- 作者: 伊藤計劃,岡和田晃
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2012/03/09
- メディア: 文庫
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すっかりこの人の本を読むことにはまっていたのだけれど、これでもう新しい小説を読むことはできないのか、と思うと、ただただ単純につらい。新しい言葉を、この人はどう発したんだろうなあ。
SFというのは、過去から見たもうひとつの未来、ということになるんだろうけれど、こうも今現在に近くて、この話に近付いていっている現実が見え隠れしていると、本当にゾッとする。この人に対してのゾッと、今現在生きている人間に対してのゾッ。この人はたぶん、ものすごく人間をポジティブに捉えていて、人は裏切りもするけれど信じるに値するものだ、と思っている気がする。この本を読んで、皆、人間を信じることができるか?自分を信じることができるか?