太宰治「斜陽」

 

斜陽 (新潮文庫)

斜陽 (新潮文庫)

 

 この人って、長編をあまり書いてないよなあ、と今更思った。私が読んでいないだけだろうか。

 

チェーホフの「桜の園」がモチーフとしてあるらしいのだけど、「桜の園」は題名からして、喜劇、と付いているわけで、人間の滑稽な部分を描いているはず(随分前に読んだので、内容を忘れているすいません)。この話は、ダメになっていく人間をどんどんダメにしていく感じ。人間ってこんなもんでしょう、と見せられている感じ。

 

ただ、その中でもやっぱり女の人は強いものとして描かれている気がする。この人って、本当に女の人が好きなんだろうなあ。というか、高すぎる理想の女のことが好きというか。憧れを持ちすぎたんだろうか。