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岸本佐知子「居心地の悪い部屋」

 

居心地の悪い部屋 (河出文庫 キ 4-1)

居心地の悪い部屋 (河出文庫 キ 4-1)

 

 表紙からしてもう、居心地が悪いね。この本自体が居心地の悪い部屋となって、どん、と開かれるのを待っている。読む人がこの本を開いたら、扉は完全に閉められて、読み終わるまで、ずっと居心地の悪い気持ちでいなければならない。そわそわした感じ、もやもやした感じに絡まれつづけて、本を閉じると、ほっとするんだけど、でもなんかもう一回入っておくか、を繰り返す。

 

短編というのは、このもやもやした感じが堪らなくて、私は一時期短編しか読まなかったこともある。この本はまさに求めていた感じ。最近だけではなく、昔から英米文学の方がこういう話が多いのかなあ。ちょっとだけ、安部公房を思い出したけど。