「GRANTA JAPAN 03」

 

GRANTA JAPAN with 早稲田文学 03

GRANTA JAPAN with 早稲田文学 03

 

 雑誌や文芸誌よりも値段が高かったので、わ!とビックリして躊躇したんだけど、買ってよかったなあ。というより、むしろ、お得だね。

 

日本語作家(という括りでいいんだろうか)の話は、安定した面白さがあった。若手作家というタイトルだけど、載っている人みんな、それぞれにもう有名な人たちだから、誰にとっても好みの話はあるんじゃなかろうか。

 

私はあまり日本語以外の話を読まないでいたので、この本を手に取れたことはとても幸運じゃないかな、と思う。世界の広さを感じるのは勿論、日本語では表現できないものも、必ず存在するのだろうなあ(その逆はよく言われているけれど、日本語の間とかについて)。これだけ知らない人の話を読んでみると、日本の平和さ、閉鎖的な性質がよくわかる。それが日本語文学の良いところでも悪いところでもある、と私は思っているけど。

 

翻訳された話は、ちょっと違和感を感じると、話がまったく入ってこなくなることもあって、敬遠しがちだったけれど、この本は非常に読みやすかった。翻訳者で本を買ってみるのも、いいかもしれないなあ。