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川端康成「掌の小説」

 

掌の小説 (新潮文庫)

掌の小説 (新潮文庫)

 

 1月に日本語の通じない場所に行ったとき、日本らしい話を日本語で読みたくなるかな、と思って、この本を持っていったんだけど、結局帰ってきてから、ずっと読んでいた。前にも一度読んでいたのだけど、そのときよりも、若いなあ、という感じがあった。若い頃に書いた話だ、とちゃんと解説にあって、そりゃそうだよな。最初に読んだときは、読んでうっとりするだけだったのだろう。

 

100篇以上の短い話を書いて、そこからあの何とも言えぬ美しさのある、変態的(良い意味である、何回も言っているけど)な長篇に繫がっているのかと思うと、この人の書く力は、やっぱり才能だけではないのだよなあ。短い中に、沢山の感情や、人との交差が渦巻いて、今もやっぱりうっとりしている。