いしいしんじ「東京夜話」、柚木麻子「美女の嘆き」

 

東京夜話 (新潮文庫)

東京夜話 (新潮文庫)

 

 この本は、ぼんやりとしているうちに、いつの間にか最後の方になっていて、あれもう終わりだ、と突然気付かされる。こんなぼんやりした文章を書く人は、たぶんこの人しかいないんだろうなあ。

 

嘆きの美女

嘆きの美女

 

 単純に、面白いなあ、と思いながら読み進んで、面白かったなあ、と思って終わった。考えなくても面白いと思える話に出会えることって、正直少ない。美女とかブスとか、生きていく上ではあんまり関係ないよなあ、と思わされるけど、実際どうなんだろう。まあ、人間である限り、美女もブスも、卑屈でドロドロした部分を持っている。それにしても、この本の中の人物は皆恵まれている気がする。