この表紙を見たときから、ずーっと気にしていた。読もう読もう、としていたら、もう1年以上経っている。恐ろしい。
この、昭和、という感じ。今の人たちには出せないだろう、雰囲気や態度、それからゆったりとした時間の流れ、コーヒーを味わうように、読む(と言って、私はブラックコーヒーを飲まない)。だけど、主人公の女の人は、今生きている女の人たちに近い。自分として生きていくことに、必死になっている。こういう、生きる、ということは、今も昔も変えられない。コーヒーと恋愛に一所懸命に、そうして、生きることに一所懸命に。
この人の句読点の打ち方が、好きだったなあ。なんとなく、自分に近いリズム感を感じる。