絲山秋子「海の仙人」、大島真寿美「チョコリエッタ」、青山七恵「やさしいため息」

 

海の仙人 (新潮文庫)

海の仙人 (新潮文庫)

 

 ゆるゆると進んでいくのだけど、この展開以外はありえない気がしてくるから不思議だなあ。ファンタジーなのに、本当のことのように思える。恋愛ではない人間関係が、とても愛おしいものだなあ、と思う。

 

チョコリエッタ (角川文庫)

チョコリエッタ (角川文庫)

 

私が読んだ本と表紙が違うけれど。 なんというか、ちょっと怖い。高校生くらいの独特の鋭さというか、何をしでかすかわからない、という怖さ。主人公の本心が見えてこなくて、もうちょっと読み込んだ方がいいのかしら。

 

やさしいため息 (河出文庫)

やさしいため息 (河出文庫)

 

 主人公の、楽に生きたい、という思いが、静かなんだけれど、切実に感じられる。表題作より「松かさ拾い」の感じがすごい好きで、その感じって何なんだろうなあ。人の生活って劇的に変化しないんだけれど、気持ちは日々変化している、そういう微妙な変化を読んでいる感じだろうか。