難波里奈「純喫茶コレクション」

純喫茶コレクション (河出文庫) 作者:難波里奈 河出書房新社 Amazon ブラックコーヒーを飲まないのに、喫茶店が好きだ。内装が好きとか、カップが好きとか、いろいろあるけど、そういえば、子供の頃によく喫茶店に連れていってもらっていたからかもしれない…

内田百閒「追懐の筆 百鬼園追悼文集」

追懐の筆-百鬼園追悼文集 (中公文庫 う 9-15) 作者:內田 百閒 中央公論新社 Amazon 今まで読んだこの人の本の印象だと、勝手気儘で我が道を行く、という感じがして、友達とか少ないんじゃないかなあ、と思いこんでいたのだけれど、そんなことはなかった。こ…

今和次郎「思い出の整理学」、リルケ「若き詩人への手紙 若き女性への手紙」、能町みね子「私みたいな者に飼われて猫は幸せなんだろうか?」

めちゃくちゃサボっていたので、一気に書くという、大変ダメな行為に出る。感想も新鮮さがないので、今の自分が書くと、本当にこんなこと思ったのかな、と疑問になるところもあるけれど、読み終わった直後のメモに書いてあるから、たぶん当時の自分はそう思…

ペーター・ヴォールレーベン「樹木たちの知られざる生活」

樹木たちの知られざる生活 森林管理官が聴いた森の声 (ハヤカワ文庫NF) 作者:ペーター ヴォールレーベン 早川書房 Amazon たまたま聞いていたラジオで紹介されていて、すごい気になったので読んでみた。こういう突然読むべき本に出会うことがあるのだなあ。…

サキ「サキ短編集」

サキ短編集 (新潮文庫) 作者:サキ 新潮社 Amazon 去年のうちに読みおわっていたのに、ここに書くのをめっきりサボっていた。暑いとパソコンを触るのが嫌だし、寒いとただただ動くのが嫌になる。じゃあ、いつ動いているんだ、と思ってしまう。基本的に自分は…

尾形亀之助「カステーラのような明るい夜」

カステーラのような明るい夜 作者:西尾勝彦,尾形亀之助 七月堂 Amazon 装丁がとてもよいので、画像が出ないのが残念なのだが、自分で手に取ってみるのが一番、ということで(そのうち出るようになるかもしれないが)。 詩集の感想ってどうしようかなあ、とい…

レイチェル・カーソン「センス・オブ・ワンダー」

センス・オブ・ワンダー(新潮文庫) 作者:レイチェル・カーソン 新潮社 Amazon 写真ともども見たいと思って購入したのだけれど、近頃の切羽詰まったような感覚の中で、文章も写真も違う時間が流れているように思える本だった。ゆっくりとちょっとずつ読みた…

絲山秋子「離陸」

離陸 (文春文庫) 作者:絲山秋子 文藝春秋 Amazon だいぶ前に読みおわっていたのだけれど、ワクチンを打ったり、休みがあんまりなかったり、そうこうしているうちに時間が経っていた。ところどころ忘れているような気がするけれど、読んだときのメモに書いて…

中島たい子「ぐるぐる七福神」

ぐるぐる七福神 (幻冬舎文庫) 作者:中島 たい子 幻冬舎 Amazon 何かもやもやしていたり、上手くいかないなあ、と思っているときに、何故かこの人の本に出会う。本屋に行って、必ずこれを買う、と思ってもいないのに、不思議なものだなあ。 七福神巡りについ…

「万葉集」

万葉集 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス) 角川書店 Amazon ずっと読んでみたいな、と思っていたのだけど、なんとなく後回しになっていて、ようやく手に取った。 学校の授業で、ますらおぶり、とは聞いてい…

山下賢二「喫茶店で松本隆さんから聞いたこと」

喫茶店で松本隆さんから聞いたこと 作者:山下 賢二 夏葉社 Amazon ちょっと乗り遅れた感があるけれど、ようやく読んだ。少しずつ読んでも、2、3日で読みおわれるくらいなんだけれど、なんだかゆっくりした時間が流れる。 題名のとおり、喫茶店で松本隆さんが…

木村銀次郎「大相撲と鉄道」

大相撲と鉄道 (交通新聞社新書) 作者:木村銀治郎 交通新聞社 Amazon 自分の好きなものが2つとも題名に入っていたら、これは読むしかない。 相撲列車がどんなふうに運行されているのか、とても興味深い。何人もの大きな力士が、ずらりと並んで、列車に乗って…

内田百閒「百鬼園随筆」

百鬼園随筆 (新潮文庫) 作者:内田 百けん 新潮社 Amazon 阿呆列車が好きだったので、この人の本をとりあえず読んでみよう、と思って、まずはこれを手に取ってみた。何はなくとも、この表紙が最高である。描いた人の名前を見て、またにやにやしてしまう。 阿…

尾形亀之助「美しい街」

美しい街 作者:亀之助, 尾形 夏葉社 Amazon ずっと読みたいと思っていた本。自分で詩を書くわりには、私はあんまり詩集を手に取らないのだが、これは発売したときから、読もうとずっと探していて、ようやく今になって見つかった。大きい本屋にはどこにもなく…

福永武彦 訳「現代語訳 日本書紀」

現代語訳 日本書紀 (河出文庫) 河出書房新社 Amazon だいぶ前に読み終わっていたのだけれど、バタバタしていて書くのを忘れていた。その間に、登場人物が多すぎて、話の内容もだいぶ忘れてしまった。 本の前半は、だいたい古事記にも似たような話があったな…

よしもとばなな「チエちゃんと私」

チエちゃんと私 (文春文庫) 作者:よしもとばなな 発売日: 2016/01/29 メディア: Kindle版 本が発売したときじゃなくて、今の自分がこの瞬間に読むべきときに手元にやってくる、ということがたまにある。今回はそれが起こって、不思議なものだな、と思ってい…

丸谷才一「文章読本」

文章読本 (中公文庫) 作者:丸谷 才一 発売日: 1995/11/18 メディア: 文庫 この人の書く文章の端々に滲み出る、知識やユーモアを感じたくて読んでいるところがある。今回もそのような感じ。 終始一貫、良い文章を書きたいなら良い文章を読みなさい、というこ…

内田百閒「第三阿呆列車」

第三阿房列車 (新潮文庫) 作者:内田 百けん 発売日: 2004/06/27 メディア: 文庫 だいぶ前に読みおわっていたのに、書いておくのを忘れていた。 永遠に続くような気がしても、終わりは来てしまうのだなあ。でも、なんだか、いまだにどこかで列車に乗って、ど…

内田百閒「第二阿呆列車」

第二阿房列車 (新潮文庫) 作者:内田 百けん 発売日: 2003/10/29 メディア: 文庫 ついに第二列車まで乗ってきてしまった。鈍行列車に乗っている気分で、だらだら読めるのが、非常によい。 相変わらず、マイペースで自由だなあ、と思う。こういうのは、ときと…

内田百閒「第一阿呆列車」

第一阿房列車 (新潮文庫) 作者:内田 百けん 発売日: 2003/04/24 メディア: 文庫 何故今まで読んでいなかったのだろうか。このご時勢、めちゃくちゃ列車に乗りたいけど、やはりまだ乗ることを躊躇していて、本の中のことなのに、非常に羨ましい。いいなあ。 …

川上弘美「天頂より少し下って」

天頂より少し下って (小学館文庫) 作者:川上 弘美 発売日: 2014/07/08 メディア: 文庫 これ、めちゃくちゃタイトルが美しいなあ。 ふわふわしているというか、ゆらゆらしているというか、どことなく不安定な関係の人たち。でもきっと、この世には、確固たる…

絲山秋子「ばかもの」

ばかもの 作者:絲山秋子 発売日: 2012/01/11 メディア: Kindle版 読んでいる間中、一度読んでいなかっただろうか、とずっと思いながらページを繰っていたんだけど、思い出すことなく読みおわってしまった。本の内容って、そんなに忘れるものなのか…最近は特…

川上弘美「光ってみえるもの、あれは」

光ってみえるもの、あれは (中公文庫) 作者:川上 弘美 発売日: 2006/10/01 メディア: 文庫 この人の書く、人と人との距離感がすごく好きなんだなあ、と思った。 人それぞれ好きな距離感というのがあると思うのだけど、だからこそ、自分が欲する距離感と、相…

森絵都「漁師の愛人」

漁師の愛人 (文春文庫) 作者:絵都, 森 発売日: 2016/07/08 メディア: 文庫 久々に短編集を読んだ気がする。相変わらず、この人の本は読みやすいなあ。子供の頃から読んでいるせいかもしれない。 最初の2つの話は、昔のYAっぽい雰囲気もありつつ、ちょっと違…

カミュ「ペスト」

ペスト(新潮文庫) 作者:カミュ 発売日: 2017/03/10 メディア: Kindle版 ずっと読まないだろうなあ、と思っていた話なのだけれど、今読むためだったのか、と思わされるような世の中になっている。本屋には平積みになっていて、ついつい手に取ってしまった。…

川端康成「浅草紅團」

「浅草紅團」 川端康成:著 先進社版 特選名著複刻全集 近代文学館 /昭和50年発行 ほるぷ出版 メディア: 古本市にたまたま立ち寄ったら、突如目に入ってきたため、ついつい買ってしまった。今までこの話のことを知らなかったけど、有名なのだろうか。この人…

カフカ「審判」

審判 (岩波文庫) 作者:カフカ 発売日: 1966/05/16 メディア: 文庫 読んでいる途中で何回か、私は安部公房を読んでいたんだったかな、と思ってしまった。いや、でも、年代的には安部公房の方が後だから、安部公房がカフカを好きだったのかしら。そのへんはよ…

絲山秋子「小松とうさちゃん」

小松とうさちゃん (河出文庫) 作者:絲山秋子 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2019/12/05 メディア: 文庫 たぶん、日本に沢山いるだろう普通のおじさん2人が出てくる。普通とか、平凡とか、一般的とか、そういう括りの中で生きているだけで、こんなに…

ルシア・ベルリン「掃除婦のための手引書」

掃除婦のための手引き書 ルシア・ベルリン作品集 作者:ルシア・ベルリン 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2019/07/10 メディア: 単行本 表題作が早稲田文学に載っていたときに、1回読んだだけではよくわからなくて、でもなんとなく気になっていた。去年、作…

今村夏子「星の子」

星の子 (朝日文庫) 作者:今村夏子 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: 2019/12/06 メディア: 文庫 この人の話の中には、いつも社会に馴染めないような人が出てくる。それを優しくもなく、厳しくもなく、今の現実の中での姿をそのまま描く。現実そのもの…