梨屋アリエ「夏の階段」、ガルシア・マルケス「エレンディラ」

 

夏の階段 (teens’ best selections)

夏の階段 (teens’ best selections)

 

 たまにこう、中高生が出てくるような本を読んでしまうと、ものすごくつらい気持ちになってしまう。児童文学よりは、YAと呼ばれるものの方に、大きく反応してしまう。まったく同じ経験はしていないとしても、誰しもが微かに感じたことのある感情が呼び戻されてしまうのかなあ。つらい。この感情が何なのか、というのがわかるまでの階段の途中は、本当につらい。登り切ったら、あれなんであんなにつらかったんだろう、と思うんだけれど。

 

エレンディラ (ちくま文庫)

エレンディラ (ちくま文庫)

 

 ちょうどタイムリーにノーベル文学賞が決まったときに読んでいた。まったくノーベルは意識してなかったんだけども。今まで読んだ本の中で、ちょこちょこ名前を見かけていて、そろそろ読む時期が来たのかな、と思って手に取った。

 

なんだろう、このよくわからない読後感は…。ファンタジーなのかな、と思って読んでいると、どうにも血生臭いし、現実味がありすぎる。だからなのか、時々怖い感じがある。たぶんこの人にとっては、すごく現実に近いところを書いているのかもしれない。南米の文化を全然知らないせいだろうか。ものすごい不思議な気持ちになる本だ。自分の外側に出てみないと、自分が生きている文化が変なのかどうか、本当にわからない。

伊藤計劃「虐殺器官」

 

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

 

 はあ、なんで私は今までこの本を読んでいなかったんだろう。馬鹿だな。馬鹿なんだな、私は。でも、今、出会うべくして出会ったのかもしれない、という時期でもある。SFの、未来を見通す目、のようなものが、すごいと思うと同時に、怖いな、と思う。もう、いかなる人も読んで、怖がればいいのだ。

 

人は何故争うのか。本能より、理性や良心は勝るのか。答えは何十年後、いや何百年後に出ているのだろうか。遠くのどこかで、誰かが争っているとき、私はたしかに、安心感を抱いている気がする。

 

この人がもういないなんて、神様はいじわるというより、人間に過酷な試練をお与えになる。今のこの現実を、この人はどう見て、どう表しただろう。

筒井康隆「創作の極意と掟」

 

創作の極意と掟 (講談社文庫)

創作の極意と掟 (講談社文庫)

 

 最初に書かれているけど、エッセイだった。小説の書き方を教える、ということではなくて、自分はこういうことを大事にしているよ、と徒然書かれている。小説を書いている人は、あー、と納得したり、はっ、と気付くことがあったり、書いていない人は、へえ、と面白がったりできる本だと思う。

 

それにしても、自分の読書量のなさに、だいぶがっかりしてしまう。この本の中でいろんな本が出てくるんだけど、ほぼほぼ読んでいない。こういうところから、面白い小説が書けないのがわかる。

夏目漱石「草枕」

 

草枕 (1950年) (新潮文庫)

草枕 (1950年) (新潮文庫)

 

 久々に読んでみたんだけれど、こんな話だったっけ。もっと会話をする話だと思い込んでいたのだけれど、主人公が1人で思索する時間の方が長かった。はじめて読んだときが、もう10年くらい前なので、そのときとは感じ方、というよりは本の読み方が変わったのかなあ、という気がする。最近は時間をかけて、だらだらと読んでしまうから、内容があまり頭に入ってきていない感じがある。これは、ちょっと、もう少し本を読まなければ、という危機感を持たされた。

 

でも、この本はだらだら読むにはちょうどいい。だらだらした人が主人公なので。

ホームページの更新

久々にホームページを更新しました。久々っていうか、約2年ぶりです。え、2年ぶり?本当に?自分でビックリしました。

 

その間何をしていたんだ、と考えてみたところ、手書きで小説を書くことはしていたものの、パソコンで清書というところまで至らなかっただけなのでした。週に1、2回しかパソコンを触らなくなって、しかも起動時間が1、2時間程度なものですから、パソコンの前でじっと考える、という時間が無に等しいのです。

 

そんなわけで、スマートフォンで使える小さいキーボードを買ってみたんですけど、今回はそれで書いてみました。便利な世の中になったもんです。

 

小説「灯火」をアップしましたので、ブログのものすごく下の方にある、そしてオオカミは泥棒になった、というリンクから、飛んで飛んで飛んでいくと読めます。昨今は個人のホームページを持つ人も随分減ったなあ、という感じなので、私もついに閉鎖のタイミングか、と思ったんですけど、何故か更新しました。個人のホームページなんだから、マイペースでいいでしょう。